西前頭3枚目栃ノ心(30=春日野)が、またも怪力ぶりを見せつけ、1敗を守った。過去5勝24敗と苦手にしていた元大関琴奨菊を、右四つから豪快に寄り切った。9日目は“1敗対決”だった関脇御嶽海を豪快につり出し、場内を騒然とさせた。

 「上手を取れば、自信ありますよ。調子いいんでね」。昨年11月に誕生した長女アナスタシアちゃんに会うため、場所後に西アジアの故郷ジョージアに戻りたいと思っているが、この日の取組後に「無理かもね…」とポツリ。行事が立て込んでいるのが大きな理由のようだ。

 それでも、アナスタシアちゃんの存在が快進撃の原動力だ。獲得した懸賞金も増えてきて、プレゼントを思案中。「何贈ろうかな? もう7キロ近いからね。(服なら)生まれて半年の子供用のがいるよ」。10日目で9勝1敗は、準優勝した11年夏場所(12勝3敗)以来のハイペース。右膝前十字、同内側側副靱帯(じんたい)断裂の大けがを負った13年名古屋場所後では、最高だ。優勝争いの最中にいる心境を問われると「フフフ。どうですかね」とまんざらでもなさそうだった。