関脇経験者で西幕下35枚目の豊ノ島(34=時津風)が、今場所4番相撲に登場。東幕下35枚目の安芸の花(25=高田川)を会心の相撲で寄り切り、黒星スタートから3連勝。3勝1敗で勝ち越しに王手をかけた。

 立ち合いで踏み込むと左、右と瞬時に差し、休まず前進。右に回り込む相手に迷わず足を運び、正面にこん身の力で寄り切った。最後はダイブするように、体ごと預けた。

 早い勝負をするのには訳があった。昨年秋場所の7番相撲でも対戦(当時は改名前の「安芸ノ花」)。この時は、左を差すのは早かったが振りほどかれて背後を取られた。向き直して再び左四つになるも、右の上手から強引に振られ最後は上手投げで倒された。その反省を踏まえて臨んだ、この日の取組後は「1回、ぶん投げられたからね。今日は、しっかり体を寄せられたのが良かった。相手が上手を取りに来たら体を寄せる。悔いのないように前に出ることが出来た」と笑みを浮かべた。

 2場所ぶりの勝ち越しに王手。「次に決めて(さらに)星を伸ばして、早く(関取に)戻れるところまで戻りたいですね」。残り3番も全力相撲を尽くす。