西幕下筆頭の若隆景(わかたかかげ、23=荒汐)が、3勝1敗で迎えた今場所の4番相撲で新十両の炎鵬(23=宮城野)と対戦。上手投げで破り勝ち越しを決め、5月の夏場所での新十両昇進に大きく近づいた。

 相手は自分より20キロ軽い95キロ。大型力士が多い中、小兵同士の対戦は、炎鵬が頭を下げて潜り込み、若隆景が右上手を肩越しに取る攻防となった。2分近い大相撲となったが、最後は相手が出るところを若隆景が右上手から振り回すような投げを決めた。

 東洋大3年時の大学選手権団体戦で、金沢学院大3年だった炎鵬と対戦。押し出しで勝っていた。その後、ともに大学を卒業し昨年3月の春場所で初土俵。大学時代の実績から若隆景は三段目最下位格(100枚目)付け出し、炎鵬は1からのスタートで前相撲からだった。

 ところが、序ノ口から3場所連続優勝で21連勝をマークするなどの活躍で、炎鵬は史上最速タイの序ノ口から所要6場所で今場所、晴れて関取に。そんな思いを若隆景は「向こう(炎鵬)は下(序ノ口)からスタートしたのに番付で抜かれた。負けたくないという気持ちがありました。学生出身の同期生には負けたくないですから」と口にした。

 長兄の若隆元(26)、次兄の若元春(24)とともに3兄弟でともに、荒汐部屋の力士として幕下に名を連ねる。入門は3人の中で最後だったが、出世争いでは3兄弟第1号の関取の座を有力にした。確実にするためにも大事な残り2番が控える。「あと2番あります。その2番を思い切って取ります」と力強く話した。