大相撲春巡業が24日、茨城・取手市で行われ、今年初場所で新入幕昇進した平幕の竜電(27=高田川)が、横綱稀勢の里から指名を受けて三番稽古を行った。

 1勝7敗と結果だけ見れば歯が立たなかったようにも見えるが、稀勢の里の得意の左を殺す動きや、土俵際に追い込まれて簡単に土俵を割らずに粘りに粘って食い下がる姿勢を随所に見せた。「土俵下にいるときに『次やるぞ』と言われた。すごくうれしかった。力全部出せたかな。せっかく稽古をつけてもらったなら全力出さないと自分のためにもならない。また指名してもらえればうれしい」と目を輝かせながら話した。

 連日、朝稽古で土俵に上がり続けている竜電。さらに土俵下で地道に汗を流している姿を見た稀勢の里から「いつも四股踏んでいるし、いい稽古をしていましたから」と評価されて指名を受けた。努力が認められ、十両に昇進するまで付け人をしていた憧れの稀勢の里と初めて相撲を取った。「指名されたのはそれだけ近づいたのかな。上がったのかな」と喜んだのもつかの間「現実を見ました。やっぱり強い。歯が立たない。もっと強くなりたい」と、痛感させられた。