大相撲夏場所(13日初日、東京・両国国技館)を前に、元関脇の栃煌山(31=春日野)が抜群の仕上がりを見せた。

 10日は部屋から徒歩5分の出羽海部屋に2日連続の出稽古。同じ部屋で、今場所大関とりの栃ノ心の右差しを、低く厳しい当たりで“完封”して内容で圧倒。6勝4敗とした。御嶽海、碧山も含めて計13勝4敗だった。

 「いつもは途中から(調子が)上がってくるんですが、今日は最初から良かった。何かこう、体に芯ができた感じ」と、笑顔で声を弾ませた。

 初場所で左大胸筋肉離れの負傷を負い、春場所は5勝10敗と負け越した。その負傷が「もう問題ないです」と言えるまで治った。

 今場所の番付は07年春場所の新入幕以降で自己ワーストタイの東前頭15枚目だが、本来は関脇を11場所経験し、大関候補と呼ばれた男だ。「また番付上位に? もちろんです」。昨年6月に結婚した妻せりさん、昨秋に生まれた長女禀ちゃんからもパワーをもらい、復活を目指す。