新入幕を果たした西前頭15枚目の旭大星(28=友綱)が、同16枚目の安美錦(39=伊勢ケ浜)をすそ払いで下し、幕内初白星を挙げた。「うれしいです」と笑顔いっぱいで、得意の足技について「狙っていたわけではないけど、勝手に足が出た」と充実の表情で振り返った。

 鮮やかな白星だった。立ち合いは、相手の変化を警戒し、慎重にもろ手突き。左上手を取られ、下手投げでまわしを切ろうと思った瞬間、右足で相手左足を引っかけた。伊勢ケ浜一門の連合げいこで胸を借りていた11歳上のベテランから奪った記念の1勝。「若い衆の頃から教えてもらっていたので」と喜びに浸った。

 初体験の懸賞金に初々しかった。この日は4本の懸賞旗が仕切り中に土俵上を回った。「目に入って欲が出ちゃう。アレはダメだ」とちゃめっ気たっぷりに笑ったが、見事に22万6800円(納税充当金込み)をゲットした。「化粧まわしを作ってくれた人や父に渡したい」と感謝の言葉を口にした。

 北海道出身力士では26年ぶりの新入幕で、北海道勢の幕内勝利は北勝鬨が98年5月24日の夏場所千秋楽で勝って以来、7295日ぶりとなった。旭大星は「連勝したい。(懸賞金を)渡したい人がいっぱいいるからもっと勝たないと」と意欲的だった。