新入幕の東前頭14枚目隆の勝(23=千賀ノ浦)が、初日に白星を挙げた。

西前頭14枚目千代丸(27=九重)の右下手を奪い、左でおっつけ万全の体勢で寄り切り。「自分の前に出る相撲を取れた」と完璧な内容だった。

新入幕らしく初々しい気遣いも発揮した。幕内力士のほとんどが、支度部屋で床山に髪を結ってもらいながら取材に応じる中、「他の力士の邪魔にならないように」と、あえて支度部屋の外で報道陣に対応。「自信を持って相撲を取れた」と土俵の上では堂々としていたが、上位力士がひしめく支度部屋には独特の緊張感があったようだ。

取組直後のNHKのインタビューから会場を出るまで終始笑顔。「昔から(笑顔が)止まらないタイプ」。中卒で角界に飛び込み、初土俵から8年半で新入幕を果たした23歳は「今日は(昨年九州場所の)新十両の時くらい緊張した。初めての一番で勝てるとは思っていなかった」と、記念すべき白星をかみしめた。