日本相撲協会は26日、福岡市内で横綱審議委員会(横審)を開き、横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)に対する「激励」を決議した。

横審の内規では長期休場や成績不振の横綱に対して、出席委員の3分の2以上の決議により「激励」「注意」「引退勧告」等の措置を定めている。横審は99年秋場所で7勝8敗と負け越した3代目若乃花に休場勧告、02年夏場所まで6場所連続休場した貴乃花に出場を強く要望することを決議。10年初場所後には、暴行問題を起こした朝青龍に引退勧告を決めた例もある。

稀勢の里は8場所連続休場明けの秋場所を10勝5敗で終え、復活が期待された九州場所で初日から4連敗を喫し、右膝負傷を理由に5日目から休場していた。来年の初場所(1月13日初日、両国国技館)の動向が注目されている。

◆横審の勧告規定 横綱審議委員会規則の横綱推薦の内規第5条に「横綱が次の各項に該当する場合、横綱審議委員会はその実態をよく調査して、出席委員の3分の2以上の決議により激励、注意、引退勧告等をなす」とある。該当理由として(イ)休場が多い場合。ただし休場する時でも、そのけが、病気の内容によっては審議の上、再起の可能性を認めて治療に専念させることがある(ロ)横綱として体面を汚す場合(ハ)横綱として不成績であり、その位にたえないと認めた場合となっている。なお、勧告に強制力はない。