大相撲の冬巡業は22日、茨城・土浦市で行われ、約3週間の全日程を終えた。

朝稽古では、十両極芯道(22=錦戸)が、かつて付け人を務めた横綱鶴竜に約5分間、ぶつかり稽古で初めて胸を出してもらい「うれしかった」と感謝する一幕もあった。

極芯道は、11月の九州場所で新十両昇進を果たしたが、同場所を4勝11敗と大きく負け越し。初場所(来年1月13日初日、東京・両国国技館)での幕下陥落は避けられないような状況だ。そんな中、20日から今回の巡業に合流した鶴竜に、この日の申し合い稽古の後「オレが胸を出す」と切り出された。

極芯道は「激励のメッセージだと思った。また(十両以上が着ける)白まわしで胸を出してもらえるように頑張りたい」と、来場所への活力にしていた。鶴竜も「大事なことだと思って。幕下に落ちたとしても、また関取として頑張ってほしいから」と語った。今月19日には、全関取衆を対象に、付け人に対する接し方などを八角理事長(元横綱北勝海)らが説く研修会が行われた。その研修会で目指すべき姿として説明された、関取衆と付け人が、互いに感謝し合う関係がすでに実践されていた。極芯道は、鶴竜のことを語る時に、終始満面の笑みを見せていた。