16場所ぶりに幕内へ戻った、西前頭14枚目の豊ノ島(35=時津風)が5日目から4連敗を喫し、星は2勝6敗と苦しくなった。

各段を通じ初顔合わせとなった東前頭11枚目の竜電(28=高田川)戦。自分がケガで幕下に2年間、落ちている間に新入幕を果たし、平幕中位に定着している190センチの長身だ。その相手に珍しく立ち合い「立った瞬間、ダメだと思った。残すことしか出なかったし、自分からの展開もなかった」と振り返る。得意の左は差したものの、相手も右を厳しく固め、前みつを引きつけ締め付けられる格好に。そんな、差してはいるものの「全然、入っている感じはしなかった」と窮屈な上に、頭をつけられ左半身の完全な受けの体勢に。「大きい相手に、大きな相撲を取りすぎた。もっと考えないといけない」と振り返る一番は、竜電の万全の寄りに屈した。

「これも勉強。やっぱり幕内は、そんな甘くない場所」と悔やみつつ、切り替えを必死に自分に言い聞かせた。「まだ半分あるし負け越したわけじゃない。そう人生、うまくいかない。この1年が、うまくいきすぎているだけ」と言った後に「大丈夫」と発した。

西幕下35枚目から、わずか丸1年でここまで復帰したこと自体が「奇跡的」なこと。そう本人も場所前に話していた。相撲と正面から向き合っているからこそ口から出る「勉強」の言葉も、まだまだ伸びしろがある証拠。「連敗を止めないとズルズル行っちゃう」(豊ノ島)苦境の中、もがきながら場所を務め上げる。