大関とりの関脇貴景勝(22=千賀ノ浦)が、6勝2敗で折り返した。

相撲巧者の遠藤(28=追手風)を立ち合いの馬力を生かし、頭で当たってもろ手突き2発で、あっという間に土俵際へ。ほぼ電車道の完璧な相撲で締め、後半戦に突入することになった。

協会トップの八角理事長(55=元横綱北勝海)は、遠藤に対し「相撲の違い、圧力の違い。強い当たりの人に、どう立ち合うか。今日のような相撲で、いつ気付くかだ。勉強だよ」と苦言を呈した上で、貴景勝の相撲内容には「最高の立ち合いをした。今日のような立ち合いをすれば乗ってくる」と察した。ここまでの相撲も「勝っても負けてもブレない。自分の相撲を取り切るんだというのが(気持ちが)見える」と評価した。

また土俵下で審判長として目を光らせていた審判部の阿武松部長(57=元関脇益荒雄)も「貴景勝は一番いい形で折り返した。(相撲巧者の遠藤だけに)うまく取られるのでは…と(頭に)浮かぶものですが、一切、迷いがない」。冷静な攻め手にも目を向け「遠藤の左右の動きに気をつけながら出る安定した勝ち方は、押し相撲の力士はたくさんいるけど、難しいものです。重圧の中、一番一番で集中して取っているのが見て取れる」とし、後半戦も「楽しみです」と上位対戦を待ちわびるように期待した。