大関貴景勝(22=千賀ノ浦)の誕生だ。日本相撲協会は27日、夏場所(5月12日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会を開き、貴景勝の大関昇進を満場一致で承認した。大阪市内のホテルで行われた伝達式で使者2人(出羽ノ海親方、西岩親方)に伝達された。貴景勝は口上で「大関の名に恥じぬよう、武士道精神を重んじ、感謝の気持ちと思いやりを忘れず相撲道に精進してまいります」と述べ、地位の重みを踏まえて決意を口にした。大関の月給は横綱に次ぐ250万円となっている。以下は大関アラカルト。

▽江戸時代は最高位 1699年(元禄12)5月の京都興行で初めて番付に「大関」の文字が載る。1890年(明23)3月に横綱昇進した第16代西ノ海までは、横綱免許を授与された力士でも番付には「大関」と記載された。

▽安泰 69年名古屋場所からは2場所連続で負け越さない限り陥落せず、関脇に陥落しても翌場所10勝以上で復帰可。

▽月給 横綱の300万円に次ぐ250万円。三役(関脇、小結)より70万円増。

▽待遇 公演など海外渡航はファーストクラス。新幹線はグリーン席。車での場所入りは地下駐車場まで乗り入れ可。化粧まわしも関脇以下では禁じられている紫色が使える。

▽引退後 協会に残るためには年寄名跡が必要だが、元大関は現役のしこ名で3年間、年寄として協会に残ることができ、日本国籍取得者は委員待遇として「年寄」の上位に置かれる。また、横綱と大関には特別功労金が支給される。