東前頭筆頭北勝富士(26=八角)が、貴景勝の連勝を止めた。押し相撲同士で1度は土俵際まで下がったが、強烈な右のおっつけで押し返し、最後は体を寄せて浴びせるように押し出した。

「あんまり覚えてないんですよね。ガムシャラに前に出ようとだけ考えて。久々にあんな激しい相撲をとったな~」。初日は豪栄道、2日目は鶴竜に一方的に押し負けた。体調もよく、稽古も十分にこなして臨んだ場所のふがいなさ。「何が悪いのか、考えた。で、ガムシャラに当たって押すだけだった(関取に)上がって来た頃の気持ちに戻ろうと思った」という。

貴景勝は高校相撲の強豪・埼玉栄で4学年後輩だが、土俵で4連敗中だった。先輩の意地があったのか。「そういう意識はあまりないんです。だって、十両に上がったのは向こうが(1場所)早いし。幕内は僕が(1場所)早いけど」。番付が上の強い力士にただぶつかる。純粋な闘志が、相手を少し上回った。