1場所での再入幕を目指す東十両筆頭の豊ノ島(35=時津風)が、4連敗で5敗目(6勝)を喫した。

過去、幕内で3度、幕下で1度対戦し4戦全勝中だった、西十両5枚目の蒼国来(35=荒汐)との“同学年対決”。けんか四つの相手に、差し手争いで得意の左を差せず、相手得意の右四つに。左を抱えながら何とか粘ったが、圧力をかけられ寄り切られた。

これまでの蒼国来戦の取り口も「流れは全部いっしょ。攻めて差しきれずに(左を)抜いて右四つでガブって寄り切るパターン」と想定内だったが、この日ばかりは反攻もままならなかった。

体力的な厳しさに加え、一時は6勝1敗と快調に走りながらの4連敗で、気分的にも乗り切れない。「もっと思い切った相撲をとらないといけないのに、負けてくるとね。口では“相撲を楽しむ、楽しむ”と言っても、星勘定を考えて楽しめてない」と苦しい胸の内を明かした。

ただ昨年の今ごろは、ケガで降格した幕下生活の、まっただ中にいた。2年間の無給時代を思えば…。「相撲を取れなかった時のことを思い出せば、何のことはない。命を取られるわけじゃないし、連勝もあれば連敗もある。嫌なことを気にしたって、しょうがない」と割り切ろうとした。「残り全部、負けたって(幕下に)落ちるわけじゃない。とりあえず15日間、目いっぱい1日1番を頑張る」と自分を鼓舞しながら、残り4番の土俵に立つ。