日本相撲協会は28日、九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)の新番付を発表した。新入幕は若隆景(24=荒汐)1人。この日、若隆景は福岡・須恵町の部屋で行われた会見に出席し、新しい番付表に目を通すと「一番上の段に名前があるのはうれしい」と笑顔が弾けた。東洋大から17年春場所に三段目付け出しでデビュー。入門から3年弱での出世に「ここまで早く上がれるとは思っていなかった。幕内は入門したときから雲の上の存在で、自分が幕内で取れるのは不思議な気持ち」と心境を語った。

新入幕を決めた先場所は、大学の大先輩から力をもらった。秋場所は8日目を終えた時点で2勝6敗。白星が伸びない中、先場所2度目の優勝を果たした東洋大の先輩、関脇御嶽海(26=出羽海)と支度部屋で何度か会話を交わしたという。「どうしたらそんなに勝てるんですか」とストレートな質問などで相談に乗ってもらい、足の運び方などでアドバイスをもらった。「相談に乗ってもらっているうちに、だんだん体が動いて勝てるようになった」。9日目から破竹の7連勝。この日、幕内で対戦したい力士を問われると「雲の上の存在」と語る4学年上の先輩の名前を挙げた。

体重は125キロと軽量だが「持ち味のスピードを生かして、自分の相撲を目いっぱい取って勝ち越しを目指したい」と話した。福島県出身では13年初場所の双大竜以来、戦後7人目の新入幕。福島では台風19号により被害を受けた地区もある中、若隆景は「被害がすごく大きかったので、その分自分が頑張ろうという気持ちです」と、地元への思いを口にした。