大相撲の大関高安(29=田子ノ浦)が1日、前日10月31日の婚約会見から一夜明け気迫の稽古を見せた。福岡・大野城市の田子ノ浦部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古に参加。一門外から参加した大関豪栄道や平幕の友風、阿武咲と三番稽古を行い、関取衆で最多となる25番を取った。

「いい稽古になった。体がしっかり動けているし、前に出る相撲もあった」と充実の表情。演歌歌手、杜(もり)このみ(30)との婚約会見から一夜明け、稽古の見学に来たファン数人から「高安関結婚おめでとうございます」と声を掛けられた。九州場所(10日初日、福岡国際センター)は9日後。「たくさんの声をいただいた。これを力にして、気持ちを切り替えて九州場所に向けて気持ちを高めたい」と意気込んだ。

高安が手応えを感じる一方で、稽古を見守った一門の親方衆からは左肘の状態について不安視する声もあった。名古屋場所で靱帯(じんたい)を断裂し、完治せず秋場所を休場する要因となった左肘にはこの日、テーピングを施して三番稽古に臨んだが、25番の内訳は豪栄道に1勝9敗、友風に4勝2敗、阿武咲に3勝6敗。途中、左肘を気にする場面が数度見られた。

尾車親方(元大関琴風)は「高安はまだ肘を痛がっている。どうしてもおっつけられていたね」と振り返り、芝田山親方(元横綱大乃国)は「高安が心配。肘を気にしすぎ」と不安を募らせた。高安は「左は十分に力が入ればいいが、けがする前に比べると力が落ちている。まだ時間があるから、払拭(ふっしょく)できるように頑張りたい」と話した。