現役最年長関取で西十両8枚目の豊ノ島(36=時津風)が、初日から続くヌケヌケ状態から脱して、今場所初の連勝。星を4勝2敗とし白星2つを先行させた。

東十両5枚目の魁聖(32=友綱)と対戦。過去、幕内での8度を含め9回の対戦で7勝2敗と、得意にしている相手。「やりやすい相手ではない」と前置きしながら「正面からガチッとつかまえられたら重いから相手を動かしながら、うまく取れている」。この日も、得意のもろ差し狙いで踏み込んだが、差し手争いで圧力をかけられ、中に入るのは無理と瞬時に判断。右に動いて浅くのぞかせた右から、得意の肩透かしを打った。「相手の体が流れたので(肩透かしを)打ち続ければ決まると思った。最近の中では一番、決まり方としては、きれいだった」と自画自賛する、十八番の技で4勝目を挙げた。

切れ味鋭い技同様? 舌の方も滑らかだ。5日目まで○●○●○と続いた今場所の星並び。この日、場所入りする車中で、気分を盛り上げるため付け人に音楽をかけさせた。よく聴くミスチルのCDだったようで気分よく聴いていたが、場所入り直前の曲が「シーソーゲーム」。交互に星が並ぶ今場所を象徴するような楽曲に「ムチャクチャ、オレの星と同じやん」と言って笑わせ、重苦しい空気を和ませたとか。帰りは、その付け人にラーメンを必ずごちそうする気遣いの最年長関取。オンとオフをうまく使い分けながら、場所を乗り切る。