大関から陥落後、序二段まで番付を落としながら、10場所ぶりに関取復帰の再十両を果たした照ノ富士(28=伊勢ケ浜)が26日、東京・両国の時津風部屋で出稽古した。

準備運動のすり足では、深く膝を曲げると顔をしかめる姿もあったが「今、やれることは全てやってる」と話す通り、四股も含め入念な準備運動で汗を流し、関取衆による申し合いに加わった。

平幕の正代と豊山相手に、それぞれ2連勝するなど正攻法で胸を合わせる相手には、組み止めれば不安なしを感じさせる内容だった。この後は新入幕の霧馬山や平幕の錦木らとも胸を合わせ、合計9番取って6勝3敗。「きのうより今日、という感じ」と慌てず焦らずの気持ちで来年1月の大相撲初場所(12初日、東京・両国国技館)に向かう。

申し合いの後は霧馬山を、ぶつかり稽古でたっぷり鍛えた。約1年半ぶりとなる、関取衆の象徴ともいえる稽古場での白まわしも、番付発表前から締めて慣らしていたという。「もう(稽古場で幕下以下が締める)黒まわしは2度と締めたくないから捨てた」と、きれいさっぱりオサラバした。時津風部屋へは、幕下で7戦全勝優勝し再十両を決めた、11月の九州場所前も何度か足を運び、関取衆らとの稽古で汗を流し、勢いを付けて本場所に臨んだ。今場所も同部屋へ出稽古する予定だが、時津風部屋の年内稽古納めは27日。「まあ出稽古するか部屋で稽古するか、いろいろ考えますよ」と照ノ富士。幸い、通常の場所なら現時点で初日まであと10日だが、年末年始を挟む初場所の不規則日程で、初日は17日後と余裕がある。膝の状態などと相談しながら、10場所ぶりに化粧まわしも締め込みも締める本場所に臨む。