大関経験者の西十両13枚目の照ノ富士(28=伊勢ケ浜)が、新十両昇進を果たした13年秋場所以来の十両優勝を果たした。この日まで無傷の12連勝中だった中、3敗の大翔鵬が負けたため自身の取り組み前に優勝が決定。それでも気持ちを切らすことなく、東十両2枚目の琴ノ若(22=佐渡ケ嶽)をきめ出しで破り優勝に花を添えた。

取り組み前には当然、優勝が決まっていたことは知っていたが「うれしいはうれしいけど、負けて優勝が決まるのは恥ずかしいこと。勝って優勝を決めたいと思って土俵に上がった」と気持ちを引き締めて臨んだ一番。立ち合いでもろ差しを許したが、相手の両腕を極めて一気に前に出た。「あまり動く相手ではないから冷静に下から下からと考えていた」と落ち着いていた。

序二段まで番付を下げながら、10場所ぶりに復帰した十両で無傷の13連勝。ここまで支えとなったものについて問われると「大事なことは1回でいい。何回も言うとうそっぽくなる」と内に秘めた。目標は「幕内に戻ること」。疲れも出てきているが「あと2番しっかり力を出しきりたい」と全勝優勝を視野に入れた。