十両優勝した大関経験者の西十両13枚目の照ノ富士(28=伊勢ケ浜)が、東十両4枚目の錦木(29=伊勢ノ海)に負けて、全勝優勝を逃した。

錦木に右四つ許したが、左で抱えながら右下手を狙った。組んだまま土俵中央で静止し、一瞬の隙を突いて右下手を取ったと思ったが腰を引いて切られた。抱えていた左で錦木の頭を押さえようとしたところを、一気に前に出られて寄り切られた。「(下手は)完璧に取れてなかったからね。相手も調子いい」と潔かった。

優勝はすでに13日目に決まっていた。全勝中だったために「できれば全勝したかった」とポツリ。幕内優勝経験者とはいえ、10場所ぶりに復帰した十両での取組は楽ではない。「初日の体のハリと今のハリは全然違う。筋肉も緩んできた。15日間は長い」と疲労はピークに達している。

今の目標は「幕内に戻ること」。千秋楽で白星を挙げて14勝となれば、3月春場所での再入幕の可能性もゼロではない。「14勝ならまだ分からない。チャンスは残されている。最後しっかりと決めたい」と、今持っている全ての力を振り絞る。