日本相撲協会は4日、東京・両国国技館で「協会員たるもの」と題した研修を行った。親方、力士、行司ら全協会員約900人が出席。同協会コンプライアンス委員長の青沼隆之氏らが約1時間講義をした。

芝田山広報部長(元横綱大乃国)によると、八角理事長(元横綱北勝海)が冒頭で「たった1人の過ちが協会全体に迷惑がかかる」と話し、協会員に自覚ある行動を求めた。

今回は初めて、SNSの危険性を周知させる講義も行った。講義を担当したのはサイバー犯罪対策に明るい日本刑事技術協会理事の森雅人氏。芝田山広報部長によると、SNSの拡散力や個人情報を特定された場合の恐ろしさについて説明があったという。「安易にやったことが世間の目に触れて拡散される。指1本でとんでもないことになる」と芝田山広報部長。昨年11月の九州場所前に、小結阿炎と当時十両だった若元春がインスタグラムに不適切な動画を投稿。ネットで「暴力を連想させる」など批判を受けた。

その影響で、昨年11月から全協会員のSNS使用が禁止になっている。この日、芝田山広報部長は「部屋のホームページや引退相撲が控えている親方には許可しているが、基本的には禁止している。個人的なSNSはずっと禁止。期限とかはない」と説明。協会員個人によるSNS使用の禁止は、無期限で継続する。