大相撲春場所(3月8日初日、エディオンアリーナ大阪)で返り三役を果たした小結遠藤(29=追手風)が、順調な回復ぶりを見せている。

2月上旬に右肘を痛め、同9日の大相撲トーナメントを欠場。「右変形性肘関節症」の診断だったが、大阪入り後は稽古を積んでいる。2月29日の朝稽古は、部屋に7人いる関取衆のうち大栄翔ら4人が出稽古で不在とあり、大阪・堺市の部屋での稽古では四股、すり足、てっぽうなどの基礎運動と、若い衆に熱っぽく技術指導に時間を割いた。

師匠の追手風親方(元前頭大翔山)は「ボチボチですよ。まだ違和感があるみたいだけど大丈夫。順調にいってます」と説明。遠藤本人は「肘の具合は?」と聞かれると「絶不調!」と笑いながらけむに巻いたが、突発性な痛みでなく「慢性的なものです」と、さほど意に介していない様子。春場所開催の可否、興行形態などは3月1日の臨時理事会で決まるため、この日は各力士が不安を抱えたままだが「自分たちは(開催を前提に)初日に向けてやれることをやるだけですから」と自然体で話した。

1日に予定されていた春場所前恒例の「振る舞いちゃんこ」も新型コロナ感染防止のため中止。遠藤もこの日、部屋を訪れた親しい関係者に「(感染予防のため)握手はできません。すいません」と話しかける場面もあるなど、感染拡大の余波は各所で広がっている。