関取最年少のホープ、東十両6枚目琴勝峰(20=佐渡ケ嶽)が11勝目を挙げ、十両の優勝争いで単独トップを守った。

すでに勝ち越しを決めている好調の三役経験者、東十両14枚目千代鳳(27=九重)を寄り切り。かち上げで相手の体勢を起こし、引く場面もあったが左四つに組み止め、右上手を引いて休まずに攻めた。「引いてしまったけど、焦らずに立て直すことができた」。本来は右四つだが「胸が合えば(左四つでも取れる)。どっちで取っても自分の流れでいけば大丈夫」と、スケールの大きさを見せつけた。

元横綱大鵬の孫、幕下納谷や春日野部屋のホープ、幕下塚原らと埼玉栄高で活躍した。190センチ、165キロの大器。入門時から将来を嘱望され、順調に番付を上げてきたが、各段優勝は1度もない。14日目に琴勝峰が勝ち、3敗を守る兄弟子の東十両5枚目琴恵光が敗れれば、初の十両優勝を果たすと同時に、来場所の新入幕が近づいてくる。「どうしても(優勝を)意識する部分はあるが、一番一番の積み重ね。(新入幕も)視野に入れながら集中したい」と、平常心を強調した。【佐藤礼征】