大相撲の関脇正代(28=時津風)が、大関昇進への意欲を語った。25日、代表取材に応じた。春場所後に年下の朝乃山が大関に昇進し「自分も上がりたいという気持ちは今まで以上に強くなった」と刺激を受けているという。「(大関は)全力士が目指す場所。力士としては特別な地位。がむしゃらに狙ってもなれるものでもないと思うし、自分のペースとか自分のやり方を乱さないように、そして悔いのない相撲を取って、それで(結果が)ついてきたらいいと思う」と意気込んだ。

昨年九州場所から2場所連続で2桁白星を挙げ、春場所では関脇として初めて勝ち越した。覚醒しつつある大器は、7月場所(19日初日、東京・両国国技館)に向けて「2週間くらい前から」相撲を取る稽古を再開させ、この日は前頭豊山と約10番取ったことを明かした。「相撲を取り始めて最初の方は、体がどうしてもついてきてないというか、息が上がるのも早いなという感じがしたんですけど、ちょっとずつ対応してきているのかなという感じです」と、徐々に状態を上げている。

4月に引退した井筒親方(元関脇豊ノ島)に代わって、部屋を引っ張る覚悟だ。「自分とか豊山が部屋を引っ張っていかないといけない。(若い衆への)指導もそうですし、胸を出したりしなくちゃなと思う。気持ちはだいぶ強くなりましたね」。一線を退いた兄弟子は現在、部屋付き親方として指導に当たっている。現役時代と変わらず「すごい面倒見がいい方。すごい教え方も的確」と感謝。稽古場でまわしを締めているそうで「今ダイエットにいそしんでいらっしゃいます」と、軽快にいじった。

一方で自身は、この外出自粛期間で若い衆にテレビを奪われた? ことを告白した。「若い衆が自粛期間を見越してアマゾンのファイアスティックTVってあるじゃないですか。あれを予約して、でもテレビがないと。僕がずっと(部屋の個室の)テレビを見てなかったので『見ないならください』と取られまして」。正代からテレビを譲り受けた若い衆は「すごく喜んでます」とのことだ。「小さいテレビだったので前から買い替えようと思ってたんですけど、テレビ見ないからいいやと後回しにしてたんですけどね。まあいい機会でしょうか」と前向き。自室にはテレビがなくなり、通販で新しいテレビと周辺機器を注文。自身も映画やアニメを視聴して気分転換をしている。