元大関で東前頭17枚目の照ノ富士(28=伊勢ケ浜)が復活の3連勝を飾った。千代丸に豪快な左上手投げで完勝し、初日から白星を並べた。18年初場所以来の幕内復帰。序二段まで落ちた元大関の史上初の快進撃が、異例の場所で繰り広げられている。新大関朝乃山、横綱白鵬も危なげなく3連勝。かど番の大関貴景勝に早くも土がついた。
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堂々の“大関相撲”だった。立ち合い、千代丸に攻め込まれた照ノ富士が右を差す。一気に起こして胸を合わせると左上手をつかみ、豪快に転がした。「(相手は)押し切れなかったら休んでくる。そこは狙っていった」。久々の幕内の土俵でも、相手の特徴、弱点は知り尽くしていた。
5年前の7月(名古屋)場所は新大関場所だった。横綱を期待された大器が両膝のけが、内臓疾患に苦しみ、昨年春場所では西序二段48枚目まで番付を下げた。引退も考えながら、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)ら周囲の励ましで再起の階段を駆け上がった。「やれることはやってきた。自信を持ってやるだけです」。相手よりも低い重心をとれる膝の状態が、復活のバロメーターになる。
再入幕の今場所、化粧まわしを新調した。しこ名にちなみ、富士山を太陽が明るく照らす図柄。照ノ富士は「知り合いの会長が作ってくれた。(番付が下に)落ちた時も応援してくれた方なんで、頑張っている姿を見せたい」。励まされた声、思いが力になる。
まだ3日目。八角理事長(元横綱北勝海)も「まだまだ不安じゃないかな? 全盛の時には戻っていない感じ。幕内で数場所とってからじゃないか」と評した。照ノ富士も大きなことは口にしない。「終わってみないと分からないけど、今のところちょっと体動いている。精いっぱい、やれることを全部やっていきたい」。新型コロナウイルス禍で開催された異例の場所。帰ってきた元大関が盛り上げていく。【実藤健一】
幕内後半戦の高田川審判長(元関脇安芸乃島) 照ノ富士はしっかり実力がある。下からはい上がったぶん、一番一番を大事に、幕内で相撲を取れる喜びを感じながら相撲を取っている。

