横綱白鵬がまさかの連敗で優勝争いから1歩、後退した。張って出た立ち合いからの流れは完璧だった。右上手をがっちりつかみ、左上手もとって一気に前に出た土俵際に落とし穴。御嶽海の突き落としに、勢いづいた体は宙を舞った。

連敗は途中休場した今年の初場所以来。初日から10連勝と盤石を誇ってきたが、勝負どころで厳しい結果を突きつけられた。しかも、取組後は右足を引きずるように花道を引き揚げた。

鶴竜が2日目から休場で一人横綱となった際、「託されたと思って1日1日頑張って千秋楽まで頑張りたい」と話していた。異例の場所だけに、横綱の責任をより強く感じていた。師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)は、白鵬が今場所中に古傷の右膝を痛めたことを認め、「明日(31日)痛みが引かなかったら」と休場の可能性も口にした。