大相撲の小結隠岐の海(35=八角)が、ベテランならではの心理で秋場所(9月13日初日、東京・両国国技館)での2桁勝利を目指す。

5日、報道陣の電話取材に応じ、この日は幕下力士と10番相撲を取ったといい「体調を崩さない程度に休み休みやっています。いつも通りって感じ。あとは本場所でどういう相撲を取るか、それだけです」と淡々と現状を明かした。

小結だった7月場所で、初めて三役での勝ち越しを経験した。これまでの三役場所と比較して「いい意味で力が抜けている」と分析。「当時は自分の中で勝たないと気分悪いみたいな頑固なところがあった。今は気楽にやってますよ。負けてもいいし。そんな感じで、なるようにしかならないですしね。いろんな無駄なものを省いていって疲れないように。良くなればいいし、ダメなら負ける。それじゃないですかね、答えは」と脱力が効いているという。

取組への意識も変化してきた。05年初場所で初土俵を踏み、今年で角界入りして15年目。「年とってる分、集中力でカバーする。力で持っていくんじゃなくて集中力で倒すというか。そういう気持ちの切り替えで体は動くと思う。考え方じゃないですかね」とベテランならではの思考が功を奏している。

とはいえ「次の場所もそれが通用するか分からない。難しいところ」と毎場所うまくいくわけではない。それでも「2桁目指して頑張りたい。自分のリズムで2桁。自信を持っていくしかない」といい脱力感を持って初の三役2桁勝利を目指す。