関脇正代(28=時津風)がついに賜杯を手にした。新入幕の翔猿に攻められ、追い詰められた土俵際で逆転の突き落としを決めた。13勝2敗の好成績で審判部の伊勢ヶ浜部長(元横綱旭富士)は八角理事長(元横綱北勝海)に大関昇進を諮る臨時理事会の招集を要請。恵まれた体を「ネガティブ」と言われた弱気な性格で生かせなかった大器が目覚め、初優勝と大関の夢を一気にかなえて涙した。

正代の一問一答は以下の通り。

-最後勝ちきった

「千秋楽で自分で優勝を決めた大きな星です」

-どんな15日間だったか

「気持ちの持っていき方とかペースを乱さなかった。1月に初めて優勝争いした時は分からなくて乱したけど、それが生きた」

-取組を振り返って

「最後まで諦めなかったのがよかった。(翔猿の)いなしや引きが頭にあったけど、何とかこらえて我慢できた」

-優勝が決まった瞬間は

「あんまり思い出せないけど、無我夢中で何とかしようと動いた」

-最近、前向きになってきたと思う

「成績がついてきたり、三役に定着したことでそうなったと思う」

-熊本出身では初優勝

「うれしいけど逆にプレッシャーになると思う。浮かれないようにしたい」