大相撲11月場所(8日初日、東京・両国国技館)で十両陥落が決定的な関取最年長の琴奨菊(36=佐渡ケ嶽)が20日、現役続行への思いを明かした。千葉・松戸市の部屋で稽古を行い、四股を踏むなどして汗を流した。ぶつかり稽古で弟弟子の前頭琴勝峰に胸を出す際は、秋場所で負傷した左ふくらはぎに黒いサポーターを着用。患部に負担をかけないように、四股もゆっくりとした動作で踏んだ。

西前頭11枚目だった秋場所は2勝止まりで、15年在位した幕内から陥落することが確実となったが、現役を続行して再起を目指す。04年九州場所以来となる十両だが「勝てば上がれるし、やり残しなく納得して終わりたい」と大関経験者。「引退した方が、このプレッシャーと努力の継続から外れるから、体の負担的にも楽なんですけど、そこじゃない」と心境を明かした。

左足の状態は「100と言いたいけど、ちょっと冷静に気持ちを抑えて90ぐらいかな」と完治はしていない。幕内通算718勝は歴代6位。7月場所では膝を伸ばした状態で手をつく新しい立ち合いで臨み、1年4カ月ぶりの勝ち越しを決めるなど、ベテランになっても試行錯誤を続ける。「最近ある人と話していて『菊関って、追求心で土俵にあがっているよね』と言われた。追求しながらシンプルにというのを繰り返していけばいいと思う。こんなことばっかり考えているとあんまり苦ではないんだよね」。琴奨菊の挑戦は続く。