大相撲の横綱鶴竜(35=陸奥)が日本国籍を取得したことが、10日付の官報で告示された。年寄名跡の襲名には日本国籍が必要で、現役引退後に親方として日本相撲協会に残る資格を得た。

外国出身の歴代横綱で日本国籍を有するのは、米国出身の曙、武蔵丸(現武蔵川親方)、現役の白鵬に次いで4人目。モンゴル出身では白鵬のほかに同国勢初の師匠となった友綱親方(元関脇旭天鵬)らがいる。

鶴竜は01年九州場所で井筒部屋から初土俵を踏み、14年春場所後に第71代横綱に昇進した。先代井筒親方(元関脇逆鉾)の死去に伴い、19年9月に陸奥部屋へ移籍。通算6度の優勝経験を持つが、3場所連続休場となった11月場所後の横綱審議委員会で「注意」を決議された。

◆親方になる条件 日本国籍を有することと、現役時代の実績が求められる。年寄を襲名して新たに部屋を興すには<1>横綱、大関経験者<2>三役通算25場所以上<3>幕内通算60場所以上。部屋の継承は<1>幕内通算在位12場所以上など。部屋付きの親方は<1>小結以上<2>幕内通算在位20場所以上<3>十両以上の通算在位30場所。また引退後、横綱は5年、大関は3年に限り現役時のしこ名で年寄として協会に残れる。