全くもって行司泣かせの大関正代(29=時津風)の相撲に、協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)も「明日から相撲内容も変わるでしょう」と、場所も大詰めの取り口に期待した。

10日の遠藤戦、11日目の隠岐の海戦(2番)に続き、この日の隆の勝(26=常盤山)との一番も、立行司式守伊之助のまわしうちわで軍配をもらったが、物言いがついた。押し相撲の隆の勝を、まともに引いて呼び込み絶体絶命の土俵際で、右足一本で残り、はたき込んで隆の勝の右手を先につかせた。

神懸かり的な“強運ぶり”で平幕の大栄翔(27=追手風)と並び、2敗で優勝争いのトップを並走も、大関としての相撲内容としては物足りなさも。そんな思いと、残り2日は実力者の関脇照ノ富士、大関朝乃山との対戦(照ノ富士戦は発表済み)ということもあり、八角理事長は前述の言葉を述べた。さらに「大関としてコロナ禍で(観戦に)来てくれるお客さんに、最後まで楽しませる責任がある」とし「明日からきっちり、気を引き締めてくれるでしょう」と“大関相撲”に期待した。