日本相撲協会の審判部が27日、東京・両国国技館で3月の春場所の番付編成会議を行い、新型コロナウイルスの影響で初場所を全休した力士65人の番付の扱いについて協議した。電話取材に応じた伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士)は、幕下以下の力士については据え置きの救済措置をとったことを明言した。

一方で、十両以上の関取については「関取衆に関しては休んだ力士全員の公平性を保ちながら番付を作成しました、ということですね。据え置きがどうかを言うと誰かの番付が分かってしまう。誰かが割を食ったりとかではなく、全員を公平にして番付を決めたということです。そういう言い方しかできません」と話すにとどめ、番付据え置きの措置をとったかどうかは明言しなかった。

日本相撲協会は、本場所直前に約900人の協会員を対象にPCR検査を実施した。九重部屋の平幕の千代翔馬や十両千代鳳、友綱部屋の幕下以下の力士の計5人の新型コロナ感染が発覚。年末から年始にかけて集団感染が発生した荒汐部屋、感染が判明した横綱白鵬が所属する宮城野部屋を含む4部屋の全力士65人が、初場所を全休する措置がとられていた。

また、審判部は、本場所中での力士らの脳しんとうの対応についても協議した。初場所9日目の幕下取組、湘南乃海-朝玉勢戦。最初の立ち合いは、手つきが不十分だったとみられ、行司が「待った」をかけた。しかし、頭同士がぶつかり合い、湘南乃海がフラフラになって立てなくなった。審判団が協議した後、本人の意思を確認して、取組をやり直し。湘南乃海が勝った。

この事象について、伊勢ケ浜審判部長は「今回のように著しく相撲が取れない場合、相撲を止めてみんなで協議して相撲を取らせるか、取らせないか協議して決めるということになった。勝負の前に力士が相撲を取れない、取っては危険だというのを審判部の人たちが判断した場合は不戦敗になる。それを勝負規定に加えようということで話がまとまった」と説明した。現状は協会執行部に報告している段階だといい、春場所前には正式決定するという。