1月の大相撲初場所で初優勝を果たした大栄翔(27=追手風)が18日、春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)に向けた稽古終了後、報道陣の電話取材に応じた。

既に今月上旬から関取衆による申し合い稽古を始めており、この日は翔猿、剣翔、大奄美ら関取衆と18番取った。コロナ禍で調整も難しい中、師匠の追手風親方(元前頭大翔山)の判断で毎週日曜日と水曜日は稽古休みに充てている。この方がメリハリが利くのか「やっているときは思い切り(稽古)できる」と言う。自分も含め6人もの関取衆が在籍する環境から、20日から始まる他部屋の関取衆と相まみえる合同稽古も「いつも通り参加しない。部屋で十分、稽古できる。へんに変えてもしかたない」と不参加。初場所優勝力士として臨む春場所は「今まで以上に(周囲から)見られる。自分にプレッシャーをかけながら、しっかりいい相撲を取れればと思う」と自覚している。

昨年4月に入学し来年4月に卒業予定という、日大の大学院生として「文武両道」も貫く。授業も始まり、担当教授と相談し1度、ズームによるリモートで受けた。相撲に関する論文作成に必要な資料集めも地道に行っている。グループラインもあり「そこで(初場所優勝で)おめでとう、と言ってもらった」と祝福されたという。

春場所は三役復帰が確実視される。「三役で1回しか勝ち越せていない。よりいっそう引き締めて、上を目指すには三役での勝ち越しは最低条件。気合を入れていきたい」と言葉に力を込める。初優勝の要因は立ち合いに尽きる。「いい立ち合いをすれば流れも良くなり、自分の攻める突き押し(相撲)が取れると思う」と話し、具体的には「踏み込みと角度が良かったこと。立ち合いから(相手を)起き上がらせることが出来たのは、いままでなかった」と理想を追い求める。現状は心技体で「充実していると感じているけど、しっかり油断せず、これからも場所は続くので」と、スキを見せずに三役、その先の番付を追い求める。