西前頭2枚目の若隆景(26=荒汐)が技能賞を獲得し、2桁10勝をあげた。立ち合い、北勝富士の突進をかわして、横に食らいつく形で攻めて押し出した。「(立ち合いは)体が反応した。自分の相撲をとりきれたと思います」。

新型コロナウイルスの影響から休場明けの場所だったが貴景勝と正代の2大関を撃破し、7日目から7連勝を記録し、優勝争いトップだった小結高安を破るなど、盛り上げた。

しっかりした足腰を土台に、左右のおっつけが武器。「幼いころからおっつけは何回も練習してきた。おっつけの技能が評価されたのはすごくありがたい」。福島出身だけに、東日本大震災から10年の今年は特別な思いを持ってきた。「震災から10年。活躍する姿を見せたかったので、よかったと思う」と言った。

来場所は新三役も望める。「(三役昇進を)期待しています。これからも(おっつけを)磨いて、下からの攻めに徹していきたい」と力強く語った。