西前頭8枚目遠藤(30=追手風)が、大関照ノ富士の14日目での優勝を阻止した。

立ち合い懐に入り、もろ差しになると一気に出足を利かせた。終始、攻めたのは遠藤。照ノ富士に頭を抱えられて首投げを打たれたがほどき、右下手を深く差しながら右足を照ノ富士の左足に引っ掛けて、下手投げを打った。軍配は照ノ富士。しかし、物言い。約3分30秒に及ぶ協議の結果、先に照ノ富士の肘が落ちており、行司軍配差し違いで遠藤が勝ちとなった。照ノ富士は2敗に後退し、遠藤と大関貴景勝が3敗を死守。優勝争いは千秋楽に持ち越しとなった。

会場を後にする際は、今場所初めてオンライン取材の場に現れた。取組を振り返って「しっかり集中してやるだけでした」と淡々と答え、「考えていた相撲か」と問われると「そうですね」と短く答えた。自力優勝はないが、明日の結果次第では、優勝決定戦に臨むことになる。終盤戦で2日続けての大関撃破と存在感を示し「明日も頑張ります。ありがとうございました」と力強く答えて会場を後にした。