日本相撲協会の尾車コンプライアンス部長(元大関琴風)が11日、都内で行われた臨時理事会後に報道陣の電話取材に応じ、出場停止6場所と6カ月50%の報酬減額の懲戒処分を受けた大関朝乃山(27=高砂)について「本人にはこの重さをよくかみしめて今後の生活、土俵の復帰に向けて努力をしてほしい」と話した。

朝乃山は緊急事態宣言中の夏場所前に複数回キャバクラに行くなどし、協会作成の新型コロナウイルス対策のガイドラインに違反。夏場所中に行われた協会の調査に1度は否定したが、その後に認め、同場所を途中休場。事実関係を調査したコンプライアンス委員会が八角理事長(元横綱北勝海)に処分案を答申し、臨時理事会で正式決定した。

処分の重さについて、尾車コンプライアンス部長は「模範にならない地位ということも大きい。虚偽の報告をしましたよね、これが一番いけないこと」と強調。朝乃山はこの日、理事会の場で処分を言い渡された。朝乃山の様子については「今日は顔もしっかりしてたし、腹をくくって来たと思いますよ。四方に向かって大変申し訳なかったと。日本相撲協会に迷惑をかけたと言っていました」と明かした。八角理事長からは「ウソをつくことが一番いかん」と反省を促されたという。

朝乃山は今後1年間、場所には出場しないものの地方場所には帯同するため、名古屋場所(7月4日初日、ドルフィンズアリーナ)も現地に行くという。復帰に向けて、尾車コンプライアンス部長は「してしまったことは元には戻らない。今後の彼の相撲に生かして、できれば今以上の大関になってくれれば。とにかくこれからは間違っても今回行ったような雑念は振り捨てて真摯(しんし)に土俵に向かっていくこと。そうすれば裏切られたファンも応援してくれる日がくると思う」と話した。