幕内後半戦の伊勢ケ浜審判長(元横綱旭富士)が、結び前の大関照ノ富士(29=伊勢ケ浜)と西前頭4枚目の千代大龍(32=九重)の一番に言及した。

ぶちかましが持ち味の千代大龍だが、立ち合い不成立と感じたのか、力なくフワッと立った。行司の式守伊之助は「はっけよい」と発しており、照ノ富士は棒立ちの千代大龍から右前まわしを取って一気に寄り切り。勝負はあっさり決まった。土俵下で取組を見守った伊勢ケ浜審判長は「立ち合いは合っていたけど、千代大龍が途中でやめてしまった。『待った』も何も言っていない。力を抜いてしまった。何を勘違いしたのか」と苦言を呈した。

優勝争いは、ともに初日から10連勝とした横綱白鵬と照ノ富士による“一騎打ち”の様相となっている。伊勢ケ浜審判長は「横綱と大関、しっかり務めを果たしている」と評価。綱とりに向けて順調に星を伸ばしている弟子の照ノ富士については「だいぶ(相撲内容が)良くなっていますけどね。落ち着いて取っているんじゃないですか」と話した。