大相撲の十両貴源治(24=常盤山)が名古屋場所中に大麻使用したことが判明したことを受け、日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は20日、代表取材に応じ「残念極まりない」とコメントした。

貴源治が大麻を使用しているとのうわさ話が協会内に届いたのは、名古屋場所14日目の17日。「通報というよりは、そんなうわさがあるよと。うわさレベルだったので、そんなことはないと信じたかった」。

貴源治は1度、使用の事実を否認した。千秋楽後に尾車コンプライアンス部長(元大関琴風)が師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)と貴源治に聴取したが、貴源治は「大麻成分が含まれているCBDオイルという痛み止めを使用している。あがり症を抑えるために食べているグミにも大麻成分が入っていると聞いた。そういったところから、うわさ話が出たのではないか」と話していた。

翌19日に都内のクリニックで、コンプライアンス委員会作業班弁護士が立ち合いの元で薬物検査(尿検査)を実施したところ、大麻陽性の判定が出た。検査を受けて、コンプライアンス委員長が貴源治に聴取を行ったところ、名古屋場所中に宿舎近くの道路で歩きながら大麻たばこを1本吸っていたことを認めた。

芝田山広報部長は「こういった、名古屋場所が終わってすぐに、自分も今日初めて聞いてびっくりした。これはいち早く、本人が認めたということで、いち早くお知らせして、協会としてもいち早く対処する。協会はこういうことに対して、処分内容もあり、研修会も行っている中でのこと。ある程度、コンプライアンス委員会に理事長が委嘱したということで、答申を受けたところで、理事会で審議をすることになる」と説明した。

協会としての抜き打ち検査については「今そういう段階ではありません」とした。

協会は貴源治が大麻の使用を認めたことから、協会の内部規定に従ってただちに警察に通報したことで、警視庁において捜査が開始され、現在はその調査中であるとした。

貴源治は警視庁での事情聴取後に帰宅を許され、現在は師匠の指示で謹慎している。

八角理事長(元横綱北勝海)はこの日、コンプライアンス委員会と事実関係の調査と処分意見の答申を委嘱し、今後は警察の捜査に全面的に協力しつつ、協会としての調査および処分の検討を実施する予定とした。