大相撲の新横綱照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が24日、東京・明治神宮で行われた横綱推挙状授与式と奉納土俵入りに臨み、不知火型の土俵入りを披露した。不安を抱える両膝にテーピングを施してはいたが、力強い四股を踏んで1分40秒の土俵入りを立派に務めた。

主役の脇を固めたのが、太刀持ちの宝富士(34)と露払いの照強(26)。ベテランらしく宝富士は「近くで努力しているところを見ていたので、努力が報われたなと(思った)」と、久々の太刀持ちに「緊張感はありました」と言いながら感慨深げに話した。秋場所でも務めることには「横綱をサポートできるように自分も気を引き締めて頑張りたい」。三つぞろえの化粧まわしは、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)のものを使用したが「前も、横綱の日馬富士関の時もつけさせてもらって、もう1回つけさせてもらって、うれしかったですね」と柔和な表情で振り返った。

露払いを務めた照強は「初めての土俵入りということで、こういう場に露払いとして参加できたことをすごくうれしく思いますし、横綱のすごさを目の前で学びました」と実感を込めた。本場所の会場でなく、明治神宮での厳かな空気感での土俵入りには「やっぱり、やる場所が違う、やったことはあるけど、また違う雰囲気で、緊張はありませんでしたけど、やり方が違ったらどうしようかなというのはありました」と緊張感も味わった。「少しでも一緒に頑張って、ついていけるように頑張りたい」と自分への刺激にもしたいようで、本場所での土俵入りには「目の前で横綱土俵入りを見て、また気合をもらって、いい成績を残せるように頑張れたらなと思います」と相乗効果に期待した。