横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)への挑戦権をかけた2敗同士の対決は、関脇御嶽海(29=出羽海)が先場所から好調が続く平幕の阿炎(27=錣山)に快勝し、照ノ富士とともに2敗をキープした。

立ち合いで迷いなく踏み込み、阿炎のもろ手突きを下からはね上げるように突き上げながら前進。阿炎が、たまらず引くところを逃さず押し出した。

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日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、まず御嶽海の精神面の充実ぶりを指摘するように「今日は勇気があった。はたきにもね」と話した。引き技にも定評のある阿炎だけに、思い切り出られない力士も多い中、果敢に出て行った相撲を評価した。そして「立ち合いが良く下がらなかった。それだけ圧力があったということ。阿炎は我慢が出来なかった」と両者の明暗を分析した。

これで2日を残し、先場所に並ぶ11勝に到達。そのことの評価について問われた八角理事長は「立派じゃないですか…としか言えないけどね。ずっと三役で勝ち越して力を(もともと)持っているわけですから」と、優勝2回の実力者だけに過大評価できないようだが、数字以上の褒め言葉も続けた。ここまで連敗がないことに触れ「集中力がある。(以前は)負けると投げやりだったのが(今場所は)何とか頑張ろうという気持ちが見える。そういう姿勢を見せるのは大事」と、ようやくお目覚めの大関候補を評価した。

結びの一番で照ノ富士が危なげなく白星を挙げ、2人が2敗で並び残り2日を迎える。優勝争いの展望について同理事長は「まだまだ、これから。あと2日、厳しい相撲は続くでしょう」と千秋楽まで優勝争いが持ち越された残り2日の土俵に期待していた。