大関正代が碧山を押し出し、7連勝で勝ち越し、4度目のかど番も脱出した。まわしにこだわらず、下からの攻め。土俵際ではかれて際どい勝負となったが、碧山の右かかと先に踏み越していた。

初日から3連敗で序盤戦1勝4敗と大ピンチだったが、中盤以降の巻き返しに成功した。

大関貴景勝は錦木を力強い相撲で押し出し、3敗を守った。

横綱照ノ富士は関脇大栄翔を圧倒して押し出し、2桁10勝目で2敗を守った。西前頭2枚目の逸ノ城も2敗を守った。


12日目の取組の模様を写真で振り返ります。


【珍事】休場力士同士が対戦した2番が「両者不戦敗」いずれも部屋にコロナ感染者が出て途中休場

各段で6戦全勝同士の取組、13日目に優勝が決まる可能性/名古屋場所各段優勝のゆくえ

相撲協会が秋巡業日程発表 10月8日青梅市など6カ所


大相撲名古屋場所 全取組結果


序ノ口


須山(4勝2敗)肩透かし若大根原(3勝3敗)

角界初の東大出身の須山、序ノ口デビュー場所で待望の勝ち越し「素直にうれしい」

若大根原(左)を肩透かしで下す須山(撮影・和賀正仁)
若大根原(左)を肩透かしで下す須山(撮影・和賀正仁)

幕内


豊山(6勝6敗)寄り切り(6勝6敗)

☆豊山 立ち合い胸ではなく、頭からいって低くいけた。最後はしっかり寄せれたんで良かった。(昨日は不戦勝だったが)しょうがないんで、今日の日のことを考えていた。ボロボロだったんで、(昨日は)休みました。ここからは鬼門の3日間。最後の3日間で自滅していることがあるので、しっかり締めていきたいです。

豊山(右)は寄り切りで輝を破る(撮影・和賀正仁)
豊山(右)は寄り切りで輝を破る(撮影・和賀正仁)

阿武咲(7勝5敗)押し出し千代翔馬(5勝7敗)

☆阿武咲 しっかり見て力を伝えられたので、良かった。落ち着いて取れました。(あと1勝で勝ち越しだが)1日一番しっかり集中していきます。

阿武咲は千代翔馬(下)を押し出しで破る(撮影・小沢裕)
阿武咲は千代翔馬(下)を押し出しで破る(撮影・小沢裕)

大奄美(2勝8敗2休)寄り切り宝富士(6勝6敗)

☆宝富士 自分の相撲がとれたのでよかったです。体の調子もよくなったので。けがではないが、よくないところがあった。それが中日ぐらいでよくなって体が動くようになった。慢性的な足の痛みで疲労の影響もあった。毎日ケアしているのでそれがよかった。

大奄美(右)を寄り切りで破る宝富士(撮影・和賀正仁)
大奄美(右)を寄り切りで破る宝富士(撮影・和賀正仁)

千代丸(4勝8敗)寄り切り翠富士(7勝5敗)

☆千代丸 本当はもろ手で突いて攻めたいと思ったんですけど、土俵で所作をしている時に相手が小さく見えた。小さい相手で組むなら自分の形で組みたいと思って、つかまえて寄り切りろうとしていました。うまく形にできたと思います。(通算出場が1000回を達成したが)そんなに取っているんだなと思いました。(入門した時は)ここまで取れるとは考えてなかった。自分の今があるのは先代と今の親方に厳しく指導してもらったおかげ。これからも会場が湧くような相撲をして、関取に残りたいです。

千代丸(右)は寄り切りで翠富士を破る(撮影・和賀正仁)
千代丸(右)は寄り切りで翠富士を破る(撮影・和賀正仁)

千代大龍(6勝6敗)押し出し妙義龍(8勝4敗)

☆妙義龍 攻めていこうと思ってました。さばいてはいない。いっぱいいっぱいですよ。(5場所ぶり)5場所と聞いたら長いけど、何やろ。どこか落ちたわけではないし、勝てるものが勝てなかっただけなんで。変わらずやっていきます。早く晴れてくれへんかなと思いながら。

千代大龍(左)を押し出しで破る妙義龍(撮影・和賀正仁)
千代大龍(左)を押し出しで破る妙義龍(撮影・和賀正仁)

王鵬(7勝5敗)押し出し明生(7勝5敗)

☆明生 前に前にという気持ちでした。(攻めた感覚は)必死だったので。先手とかは分からなかった。(勝ち越しに王手)しっかり集中してここから気合入れていきます。

明生(右)は王鵬を押し出しで破る(撮影・小沢裕)
明生(右)は王鵬を押し出しで破る(撮影・小沢裕)

栃ノ心(7勝5敗)突き落とし錦富士(8勝4敗)

☆栃ノ心 (初顔だったが)相撲の内容は良くなかった。胸も出したことないし、どんな相撲を取るのか分からなかった。でも相手に対して勝てるか負けるか考えてないので、自分の相撲を取るだけで土俵に上がっていました。名古屋は良い思いも、悪い思いもある。あと3日間けがしないで、一日一番を大事に取りたいですね。

★錦富士 (前まわし狙うも)右がさがりですっぽ抜けた。足が出ていなかったんで。(大関経験者との対戦で違いは)特にないです。(勝ち越しても)今日もしっかり勝とうと気持ちを切り替えていった。

栃ノ心(左)は錦富士を突き落としで破る(撮影・和賀正仁)
栃ノ心(左)は錦富士を突き落としで破る(撮影・和賀正仁)

遠藤(3勝9敗)寄り切り志摩ノ海(1勝11敗)
志摩ノ海(右)を土俵際へ攻め込む遠藤(撮影・小沢裕)
志摩ノ海(右)を土俵際へ攻め込む遠藤(撮影・小沢裕)

照強(5勝7敗)外掛け佐田の海(4勝8敗)

☆佐田の海 (照強は)3日連続で足取りで勝ってるんで。半分やってくると頭に入れておきました。途中つかまってしまったが、最後は勝ててよかった。取りづらさはあるけど、だれが相手でも勝っていかないといけないので。

佐田の海(左)は外がけで照強を破る(撮影・小沢裕)
佐田の海(左)は外がけで照強を破る(撮影・小沢裕)

玉鷲(5勝7敗)押し出し剣翔(5勝7敗)

☆玉鷲 自分の手が先についたかなと思ったけど、勝って良かったなと思いました。内容としては良い内容ではないので、明日もああるので、なるべく自分の相撲を取りたいです。

★剣翔 立ち合いはうまくいったんですけど、休まず出られる後手になったのでそれが敗因だと思います。(土俵際の微妙な勝負は)物言いつきましたけど、負けてると思ったので。思い切りやったので悔いないです。

玉鷲(左)は押し出しで剣翔を破る(撮影・和賀正仁)
玉鷲(左)は押し出しで剣翔を破る(撮影・和賀正仁)

翔猿(8勝4敗)押し出し逸ノ城(10勝2敗)
翔猿(左)を押し出しで破る逸ノ城(撮影・和賀正仁)
翔猿(左)を押し出しで破る逸ノ城(撮影・和賀正仁)
翔猿(左)を押し出しで破る逸ノ城(撮影・和賀正仁)
翔猿(左)を押し出しで破る逸ノ城(撮影・和賀正仁)
逸ノ城(右)は翔猿を押し出しで破る(撮影・小沢裕)
逸ノ城(右)は翔猿を押し出しで破る(撮影・小沢裕)

霧馬山(5勝7敗)はたき込み宇良(5勝7敗)

☆霧馬山 今までずっと負けていたんですけど、勝てて良かったと思います。いつも当たってやられるという印象でしたけど、まわし取られないように攻めていけた。この3日間大事なので、1日1番です。

★宇良 何も狙ってないです。(下からの攻め?)何も考えてないです。(星のことは考えず)まあまあ、そうですね。(残り)元気な相撲を見せたい。

霧馬山(右)は宇良をはたき込みで破る(撮影・和賀正仁)
霧馬山(右)は宇良をはたき込みで破る(撮影・和賀正仁)

豊昇龍(7勝5敗)上手投げ北勝富士(6勝6敗)

☆豊昇龍 集中して自分の相撲を取りきったので、良かったと思います。落ち着いてますんでしっかり集中できているかなと思います。足を前に出ているし、自分の相撲を取れている。この気持ちで。残りの3番も取りたいです。

★北勝富士 手を伸ばして出るのが理想だけど、縮こまってしまった。突き放していくイメージだった。もっと積極的にいけばよかった。

北勝富士(右)の突き押しにのけ反る豊昇龍(撮影・小沢裕)
北勝富士(右)の突き押しにのけ反る豊昇龍(撮影・小沢裕)
豊昇龍(左)は北勝富士を上手投げで破る(撮影・和賀正仁)
豊昇龍(左)は北勝富士を上手投げで破る(撮影・和賀正仁)

若元春(5勝7敗)引き落とし阿炎(6勝6敗)

★若元春 (立ち合いで阿炎が動きのある攻めを見せた)頭には入っていなかった。幕内で対戦するのは楽しみな1人でした。あそこから動きが良いんで、あいつは。気持ちよく前に出て相撲を取られたのかなと思います。自分自身今場所は初の上位戦で最初から勝ち越せるかと思っていない。どこまで力を出せるか。最後まで取りきろうと思っています。

☆阿炎 (若元春に)勝ちたい気持ちが前に出すぎた。立ち合いはよくなかったが、体が動いて勝ちにつながったので、集中していけたと思います。

若元春(右)を引き落としで破る阿炎(撮影・和賀正仁)
若元春(右)を引き落としで破る阿炎(撮影・和賀正仁)
若元春(右)を引き落としで破る阿炎(撮影・和賀正仁)
若元春(右)を引き落としで破る阿炎(撮影・和賀正仁)

若隆景(7勝5敗)寄り切り隠岐の海(4勝8敗)
若隆景(左)は隠岐の海を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)
若隆景(左)は隠岐の海を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)
懸賞金を受け取る若隆景(撮影・小沢裕)
懸賞金を受け取る若隆景(撮影・小沢裕)

貴景勝(9勝3敗)押し出し錦木(8勝4敗)

☆貴景勝 (会心の攻めだったが)あんまり覚えてないですけど、集中してやりました。思いっきりやっていこうと思いました。また明日しっかり準備していきたいです。

★錦木 まわしとれればいいかといったが、相手の圧力が強くて、引いてくるのにビビって何もできなかった。今日は完敗です。大関戦は久々だったけど、そこまで気にしていなかった。いつも通りの感じでした。

貴景勝(右)は立ち会いから錦木を激しく攻め立てる(撮影・和賀正仁)
貴景勝(右)は立ち会いから錦木を激しく攻め立てる(撮影・和賀正仁)
貴景勝(右)は錦木を押し出しで破る(撮影・小沢裕)
貴景勝(右)は錦木を押し出しで破る(撮影・小沢裕)
懸賞金を受け取る貴景勝(撮影・小沢裕)
懸賞金を受け取る貴景勝(撮影・小沢裕)

碧山(5勝7敗)押し出し正代(8勝4敗)

☆正代 すごくホッとしてます。どこか取組終わって部屋に帰っても休まらないというか、ずっと相撲のことを気にしている感じでした。立ち合いは相手に合わせて起きてしまったが、最後までついていけた。よく足が出てくれた。一段落ついたんで、ここから気合入れ直して締めていけたらと思う。

山(左)を押し出しで破る正代(撮影・和賀正仁)
山(左)を押し出しで破る正代(撮影・和賀正仁)
正代(右)は碧山を押し出しで破りかど番脱出となる勝ち越しを決める。左手前から照ノ富士、1人おいて貴景勝(撮影・小沢裕)
正代(右)は碧山を押し出しで破りかど番脱出となる勝ち越しを決める。左手前から照ノ富士、1人おいて貴景勝(撮影・小沢裕)

照ノ富士(10勝2敗)押し出し大栄翔(6勝6敗)
照ノ富士(右)は大栄翔を押し出しで破る(撮影・和賀正仁)
照ノ富士(右)は大栄翔を押し出しで破る(撮影・和賀正仁)
照ノ富士は大栄翔(左)を押し出しで破る(撮影・小沢裕)
照ノ富士は大栄翔(左)を押し出しで破る(撮影・小沢裕)