優勝争いでトップの玉鷲(37=片男波)を1差で追っていた北勝富士(30=八角)が、大関貴景勝(26=常盤山)の注文相撲にはまって3敗目を喫した。

取組前に玉鷲が敗れており、勝てば再びトップに並ぶ大事な大関戦だった。だが、立ち合いで大関が左に跳び、目標を失ったまま、反対の東土俵の徳俵あたりに両手からバタリと着いた。熱戦を期待した館内のファンから落胆のため息も漏れた。

この一番を、報道陣の電話取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は冷静に分析。「北勝富士は自分の間合いばかり考えて仕切るのが遅い。肩にも力が入りすぎ」と、愛弟子のリズムの悪さを指摘。それを踏まえ「貴景勝は(北勝富士の仕切りが)遅れたから(変化など)いろいろ考えたんじゃないかな」と察した。さらに「貴景勝は勝ち越しもかかっていた。勝ちたい気持ちが強かったんじゃないか」と注文相撲に踏み切った大関の心情を推察。その上でファンの心情もくみ取るように「いい相撲を(ファンは)見に来ているわけですから、明日からいい相撲を取るでしょう」と、数字上は逆転優勝の可能性が残されている大関に、注文を出していた。

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