東前頭3枚目の玉鷲が13勝2敗で19年初場所以来2度目の優勝を飾った。 1差で追う高安との一番。厳しい立ち合いから右おっつけで高安の上体を浮かし、そのまま休まず攻め込み押し出した。37歳10カ月の優勝は昭和以降の最年長記録となる。 玉鷲は殊勲賞も受賞。敗れた高安は11勝と健闘し敢闘賞を受賞した。 東前頭筆頭の翔猿は2桁10勝をあげ、殊勲賞を受賞した。来場所の新三役が確実視される。関脇若隆景は11勝4敗で技能賞。大関とりへの起点となる。 大関陣は貴景勝が2桁10勝。正代、御嶽海はともに4勝11敗に終わった。正代は来場所、5度目のかど番。陥落の御嶽海は関脇で出直し、2桁10勝以上での大関復帰を目指す。


千秋楽の取組の模様を写真とコメントで振り返ります。

大相撲秋場所 全取組結果


表彰式で玉鷲(左)に賜杯を渡す八角理事長(撮影・河田真司)
表彰式で玉鷲(左)に賜杯を渡す八角理事長(撮影・河田真司)
優勝インタビューに臨む玉鷲(中央)(撮影・河田真司)
優勝インタビューに臨む玉鷲(中央)(撮影・河田真司)

幕内


剣翔(5勝10敗)すくい投げ豊山(4勝11敗)

☆剣翔 最後に力を出しただけ。けがをしなかったことが一番。15日間無事に終わったので、来場所に向けて自分のできることをやるだけ。十両に落ちると思いますけど、1場所で戻れるようにしたい。(今場所は)1度も白星が先行しなかったので、苦しい場所だった。とりあえず相撲を忘れて、ゆっくりしたいです。

★豊山 突き放したかったけど、立ち合い押し切れなかった。今場所の相撲がそのまま出てしまった感じですね。(今場所は)立ち合いは悪くなかったが二の矢、三の矢が続かなかった。(肘の状態は)言い訳にならない。もっといい相撲をとりたかった。(来場所は十両)この1カ月、必死で取り組んでいきたい。

剣翔(左)は豊山をすくい投げで破る(撮影・小沢裕)
剣翔(左)は豊山をすくい投げで破る(撮影・小沢裕)

一山本(6勝9敗)肩透かし水戸龍(5勝10敗)

☆一山本 肩すかしにいった感覚はないです。突っ張って相手をいなそうとしたら、肩すかしになりました。突ききれば良かったんですけど、相手が重かった。来場所はしっかり前に出て行きたい。

★水戸龍 今場所はダメでしたって感じです。幕内力士は強いです。自分でも5番もよく勝ったと思う。また番付を上げられるよう頑張るだけです。(来場所に向けて)いつもと変わらず頑張りたいです。

一山本(右)は肩透かしで水戸龍を破る(撮影・小沢裕)
一山本(右)は肩透かしで水戸龍を破る(撮影・小沢裕)

照強(6勝9敗)押し出し竜電(11勝4敗)

☆竜電 攻める気持ちがあったのでよかったと思います。(6日目から10連勝)相撲をとれる喜びを味わいながらいきました。幕内でとれる喜びで15日間とりきりました。また来場所に向けて頑張っていきたい。

照強(左)を押し出しで破る竜電(撮影・河田真司)
照強(左)を押し出しで破る竜電(撮影・河田真司)

千代翔馬(9勝6敗)寄り切り琴恵光(6勝9敗)

☆琴恵光 うまく中に入れたことがよかった。(合口のいい相手だが)自分が中に入れることが多いからだと思います。最後に勝つと負けるでは全然違う。(来場所)いい成績で終えられるように頑張りたい。

琴恵光(左)は千代翔馬を寄り切りで破る(撮影・河田真司)
琴恵光(左)は千代翔馬を寄り切りで破る(撮影・河田真司)

碧山(6勝9敗)はたき込み平戸海(7勝8敗)
平戸海(左)をはたき込みで破る碧山(撮影・河田真司)
平戸海(左)をはたき込みで破る碧山(撮影・河田真司)

宝富士(5勝10敗)送り出し隠岐の海(6勝9敗)

☆宝富士 右の前みつを取っていたので、うまくできた。(左肘は)大丈夫ですよ、来場所までに治ります。最後まで苦しい場所だった。場所前もけがでいつもより稽古ができなかった。不安の中で場所が始まり、思うように進まなかった。稽古は大事だなと改めて思った。けがをしないような体を作りたい。

隠岐の海(左)を送り出しで破る宝富士(撮影・河田真司)
隠岐の海(左)を送り出しで破る宝富士(撮影・河田真司)
宝富士(左)は隠岐の海を送り出しで破る(撮影・小沢裕)
宝富士(左)は隠岐の海を送り出しで破る(撮影・小沢裕)

錦木(6勝9敗)押し出し千代大龍(6勝9敗)

☆錦木 最後に勝って終われたので、来場所につなげられたと思う。久々に上位と相撲が取れて、良い経験になった。とりあえず来場所に向けて体を休めて、子どもと遊んだり家族サービスをしたりして、来場所は勝ち越せるように頑張りたい。

錦木(左)は千代大龍を押し出しで破る(撮影・小沢裕)
錦木(左)は千代大龍を押し出しで破る(撮影・小沢裕)

王鵬(7勝8敗)押し出し宇良(8勝7敗)

★王鵬 結構うまくいったと思ったら、全然だめでした。毎日楽しく相撲を取れていたけど、焦りがあったのかな。最後2番は立ち合いすごくよかったし、気持ちの良い相撲が取れた。反省点があるとしたら、相手を意識しなかったことくらい。自分がかっこいいと思う相撲を取りたいです。

☆宇良 (勝ち越しに)うれしいです。(際どい勝負を制し)千秋楽とか関係ないですね、たまたまです。(来場所へ)また頑張りたいです。

王鵬(左)を押し出しで破る宇良(撮影・河田真司)
王鵬(左)を押し出しで破る宇良(撮影・河田真司)
王鵬(奥)を押し出しで破る宇良(撮影・河田真司)
王鵬(奥)を押し出しで破る宇良(撮影・河田真司)

琴勝峰(7勝8敗)引っ掛け明生(8勝7敗)

☆明生 (勝ち越しに)よかったです。いろんなことは考えず思い切っていこうと。(終盤は)1日一番と思いながら自分の相撲を信じていった。体が動いて勝つことができてよかったです。

琴勝峰(左)をひっかけで破る明生(撮影・河田真司)
琴勝峰(左)をひっかけで破る明生(撮影・河田真司)

琴ノ若(8勝7敗)送り出し錦富士(10勝5敗)

★琴ノ若 最後きっちり勝ちきれなかったところがあるので、来場所は修正して攻める姿勢を貫きたい。(この地位で勝ち越しについて)自信にはなりますけど、まだまだ足りていない。今まで通りやれることをきっちり、やりたい。

☆錦富士 最後、勝って締められたのでよかったです。(不戦勝で3勝の)先場所は実質7勝しか勝っていないと言われて悔しい思いをした。10勝できてよかった。本来当たることのない大関であったり、番付上の相手と対戦できて来場所に向けていい経験になりました。(来場所に向け)やってきたことの回数、質にこだわってやっていきたい。

錦富士(左)は琴ノ若を送り出しで破る(撮影・小沢裕)
錦富士(左)は琴ノ若を送り出しで破る(撮影・小沢裕)

阿武咲(5勝10敗)押し出し翠富士(7勝8敗)

★阿武咲 毎日一生懸命にやることだけをやり切った結果がこれです。自分が弱かっただけなので、また頑張るしかないです。(錦富士が2桁)負けてられないですね。頑張ります。

☆翠富士 いい経験になった。これを来場所に生かしたいと思う。押し切れないことが多かった。体重を増やして、筋力もつけていきたいと思う。(体重は)130キロが目標だが全然増えなくて。ごはんを食べるようにしています。ある程度の押しは通用すると分かったので、そこをもっと極めていきたい。三役なりたい気持ちはすごくある。来場所は10番勝ちたい。

阿武咲(左)を押し出しで破る翠富士(撮影・河田真司)
阿武咲(左)を押し出しで破る翠富士(撮影・河田真司)

翔猿(10勝5敗)押し出し隆の勝(8勝7敗)

☆翔猿 (殊勲賞について)賞を取れたことがうれしいです。(千秋楽に勝てばという条件付きだったことに)すごい嫌でしたね。でも思いっきりいこうという気持ちにもなりましたね。(今場所について)どんどん前に出れたなと思っていました。良い思い出にしたかったので良かったです。新入幕の時は僕の相撲を分からないでたまたま勝ったことが多かったですが、今は力がついて実力で勝つ面が多くなっています。(殊勲賞の賞金の使い道は?)母に賞状ごとプレゼントします。いつも支えてもらっているんで。

隆の勝(左)を押し出しで破る翔猿(撮影・河田真司)
隆の勝(左)を押し出しで破る翔猿(撮影・河田真司)

玉鷲(13勝2敗)押し出し高安(11勝4敗)

高安(右)をのど輪攻めで土俵際へ攻め込む玉鷲(撮影・小沢裕)
高安(右)をのど輪攻めで土俵際へ攻め込む玉鷲(撮影・小沢裕)
高安(左)を押し出しで破り、幕内優勝を決める玉鷲(撮影・河田真司)
高安(左)を押し出しで破り、幕内優勝を決める玉鷲(撮影・河田真司)
玉鷲(左奥)に押し出しで敗れ引き上げる高安(撮影・小沢裕)
玉鷲(左奥)に押し出しで敗れ引き上げる高安(撮影・小沢裕)

妙義龍(8勝7敗)寄り切り霧馬山(9勝6敗)

☆霧馬山 (9勝に)よかったと思います。いいところも悪いところもあった。立ち合い当たれて、前に出たのがよかった。悪いところをしっかり直して来場所に臨みたい。

霧馬山(左)は妙義龍を寄り切りで破る撮影・小沢裕)
霧馬山(左)は妙義龍を寄り切りで破る撮影・小沢裕)

栃ノ心(7勝8敗)寄り切り逸ノ城(6勝9敗)
栃ノ心(左)は逸ノ城を寄り切りで破る(撮影・河田真司)
栃ノ心(左)は逸ノ城を寄り切りで破る(撮影・河田真司)

大栄翔(7勝8敗)はたき込み北勝富士(10勝5敗)

★北勝富士 悔しいですけどね。10番勝てたんで、次の場所に向けて変わらず稽古したいと思います。(勝てば三賞は頭に)そうですね。そういうプレッシャーを乗り越えて三賞とったり優勝したり。そういう部分ではまだまだ弱い。もっともっと稽古して自信につなげていきたい。いい経験として、またこういう機会がくるように頑張りたい。

大栄翔(左)は北勝富士をはたき込みで破る(撮影・小沢裕)
大栄翔(左)は北勝富士をはたき込みで破る(撮影・小沢裕)

遠藤(7勝8敗)押し倒し豊昇龍(8勝7敗)

☆豊昇龍 (立ち合い変化に)新関脇だし絶対に勝ち越したかった。勝ててよかったです。(8勝は)自分の思ったところまでいってないので悔しい。来場所のことを考えていきたい。

遠藤(左)を押し倒しで破る豊昇龍(撮影・河田真司)
遠藤(左)を押し倒しで破る豊昇龍(撮影・河田真司)

若隆景(11勝4敗)寄り切り佐田の海(9勝6敗)

☆若隆景 最後もしっかり自分の相撲が取れた。(4度目の技能賞について)自分の下からの攻めを評価されたのはうれしいことです。良かった点も悪かった点もあるので、来場所に生かしたい。(三役そろい踏みで若元春関と一緒に上がったことに)びっくりしました。(兄弟で三役の可能性もあるが)自分は自分で一生懸命に相撲を取りたい。自分は下からの攻めが持ち味なので、そこを伸ばしたい。

三役そろい踏みする、前列左から若隆景、若元春、後列は貴景勝(撮影・河田真司)
三役そろい踏みする、前列左から若隆景、若元春、後列は貴景勝(撮影・河田真司)
若隆景(左)は佐田の海を寄り切りで破る(撮影・河田真司)
若隆景(左)は佐田の海を寄り切りで破る(撮影・河田真司)

若元春(10勝5敗)寄り切り御嶽海(4勝11敗)

☆若元春 (三役そろい踏みは)やったことなかったんで、間違いまくったと思います。(弟に相談は?)特に聞いていないですね。動画とかでは見たりしたんですけど、やってみると、こんがらがっちゃいました。こんな日がくると思っていなかった。そろい踏みで恥ずかしい姿だった分、恥ずかしい相撲はしたくないと思っていけました。今場所は優勝の玉鷲関に良い相撲で勝った。それもある。今場所はなんとか食らいついた場所だった。来場所も胸を借りるつもりで臨みたいです。

若元春(左)は御嶽海を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)
若元春(左)は御嶽海を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)
御嶽海(右)は若元春に寄り切りで敗れ引き上げる(撮影・小沢裕)
御嶽海(右)は若元春に寄り切りで敗れ引き上げる(撮影・小沢裕)

貴景勝(19勝5敗)押し出し正代(4勝11敗)

☆貴景勝 勉強するところだらけでした。まだまだ強くならないといけないと思っています。(10勝を挙げたが、責任は果たせた思いは)全く思っていません。(優勝争いに絡めなかった悔しさがある?)もちろんそうですね。大関は毎場所優勝だけなので、また優勝できなかった。(来場所に向けて)一生懸命に稽古する。それだけしかないです。

貴景勝(左)は正代を押し出しで破る(撮影・河田真司)
貴景勝(左)は正代を押し出しで破る(撮影・河田真司)