大関経験者の東幕下15枚目朝乃山(28=高砂)が、西幕下20枚目の栃幸大(23=春日野)を押し出しで下して今場所を6勝1敗で終えた。

「右は差せなかったけどおっつけてくるのは見えていたので、逃げていく方向に攻めた。その後は土俵際で突き落とされたのを頭に入れながら攻めました」と振り返った。

7戦全勝なら来場所での十両復帰が確実となる幕下15枚目以内での今場所は、5連勝と順調に星を重ねていた。しかし、6番相撲で勇磨に負けて、5連勝でストップ。当時について「手がついた瞬間に頭が真っ白になった。部屋に帰る時に元気がなかったというか。すごく落ち込んだ」と自身にとってもまさかの黒星だった。

やはり十両復帰が頭の中にあったようで「体が硬かった気がする。攻めていたけど土俵際の詰めが甘かった。今の自分の実力不足だと思います」と反省した。部屋に戻った後に、母の佳美さんから「あと一番しっかり相撲を取って」と言われた、師匠の高砂親方(元関脇朝赤龍)からも同様の言葉をかけられて奮起。「来場所に向けて非常に大事な一番になる」と位置付けた今場所最後の相撲で勝って締めた。

九州場所での十両復帰とはならなかったが、同場所では幕下5枚目前後の番付が見込まれる。「(今場所は)自分の中では全然だめ。自分としては全部悪かった」と厳しい自己評価。

「来場所が今年最後の場所。しっかりいい成績を残して年明けを迎えたい。早く上に上がる気持ちでいきたい」と来年初場所での十両復帰を目指す。