元小結で西前頭12枚目の千代大龍(34=九重)が引退会見を行った。「悔いも未練も1つもありません。自分の中で100%やったので、すがすがしい気持ちです」と明かした。引退後は協会に残らず、飲食店の開業を目指すとし「まずはダイエットをしてから、お肉が好きなので、できれば焼き肉店をやりたいという気持ちがあります」と抱負を話した。

9月の秋場所後に師匠の九重親方(元大関千代大海)に1度引退を相談し、その時は師匠から「稽古すれば、まだできる」と突き返された。覚悟が決まったのは今場所7日目に平幕の碧山に敗れた時。「体に力が入らず1発で持って行かれて、情けないなと思った。これ以上ぶざまな相撲を取るのは応援している方々に申し訳ない。引退を覚悟しました」と明かした。

11年半の土俵人生を振り返り「僕1人じゃ勝てない。負けても応援して、番付が下がっても応援してくれる後援者の皆さんが大好きです。どうしようもない僕を支えてくれた師匠、おかみさん、後援者の方々。今後少しずつ恩返しをしていきたい」と話した。

千代大龍は、日体大4年時に学生横綱になり、11年5月の技量審査場所で初土俵。強烈なぶちかましやタイミングのいい引き技を得意とし、12年夏場所で新入幕、14年秋場所で新小結に昇進。通算463勝482敗50休で、幕内在位は通算58場所だった。金星は3個獲得、三賞は技能賞に1度輝いた。