大関経験者の東幕下4枚目朝乃山(28=高砂)が、東幕下23枚目玉正鳳(29=片男波)にはたき込みで破れ、今場所初黒星で5勝1敗とした。

勝てば十両復帰が確実となる7戦全勝優勝に王手だった。先場所に続き、またも六番相撲で敗れた。

「あごが上がって引きについていったのが駄目だった。勝ちは意識しなかったけど、土俵際の詰めが甘かったです」と反省した。

朝乃山は6場所出場停止処分から明けた7月の名古屋場所で三段目全勝優勝を果たした。9月の秋場所は東幕下15枚目まで昇進。7戦全勝なら十両復帰だったが、六番相撲で黒星を喫して6勝1敗だった。今場所の一番相撲後に秋場所を振り返り「先場所のあの1敗があったからこそ今後の相撲人生につながる。将来『あの1敗があったからこそ』と言えるようにしたい」と切り替えていた。

また、6日目には復帰後初めて十両の土俵に上がり、大関だった21年夏場所11日目以来、548日ぶりの大銀杏(おおいちょう)姿で十両徳勝龍を破った。久しぶりの大銀杏に感慨にふけりながらも「今日は大銀杏で黒まわし。来場所は大銀杏に締め込みで15日間を戦いたい」と、十両復帰への思いをさらに高めていた。

残り一番を残して5勝1敗で、6勝に白星を伸ばせば周囲の成績によっては十両復帰の可能性も残されている。「負けたことはすごく悔しいけどもう一番ある。切り替えないと上にいけない」と話した。