5度目のかど番で迎えた大関正代(31=時津風)が、玉鷲(38=片男波)に敗れ8敗目。場所を2日残し負け越しが決まり、来場所の関脇への陥落が決まった。

今場所の御嶽海(29=出羽海)に続く、2場所連続で大関からの陥落者が出る低調ぶり。来場所は横綱(照ノ富士)、大関(貴景勝)が1人ずつしかいないという非常事態。白鵬(現宮城野親方)が引退する前から、角界にささやかれていた「過渡期」が長すぎる感がある。

正代の一番について、報道陣のリモート取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「立ち合いの集中力がなく当たれていない。当たりが軽い」と端的に指摘。来場所、10勝すれば大関復帰となる正代だが「(今場所)8勝できないのに来場所10勝は…。自分の相撲を取りきって負ける分にはいいけど、内容が悪すぎます」と懐疑的。大関昇進に向け足固めにしたかった関脇若隆景(27=荒汐)は、残り2日に連勝でも9勝止まりで、振り出しに戻された感がある。

大関候補は何人かいるが、飛び抜ける存在がない。同理事長も「突き抜ける人がね…。よし、オレがやってやる! という人がね。そういう意味では、この(出番前の)豊昇龍に(その気概を)持ってほしい」と若隆景に代わる候補1番手に、豊昇龍の名前を挙げていた。角界全体で取り組むべき次代の横綱、大関を誕生させるためにも「すぐに出来ることではないけど、親方衆が頑張らないと、いい力士は育たない」と親方衆の手腕にも期待を寄せた。