優勝争いは、千秋楽結びの一番で直接対決する大関貴景勝(26=常盤山)と、東前頭13枚目の琴勝峰(23=佐渡ケ嶽)の2人に絞られた。

ともにこの日も勝って、11勝3敗同士で最終決戦を迎える。

場所前の優勝予想からはダークホース的な存在となった琴勝峰は、この日、押し相撲の大栄翔(29=追手風)に力を発揮させず、力でねじ伏せるように寄り切った。

報道陣とのリモート取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、この一番について「琴勝峰は立ち合いがうまく、大栄翔に気持ち良く突っ張らせなかった」と気分的に乗っている23歳の相撲を分析した。この時点で、千秋楽の取組は決まっていなかったが、優勝争いのトップで最後を迎える琴勝峰に、同理事長は「あと1日。なるようにしかならない。一生懸命に相撲を取るんだ、という気持ちを忘れないこと。今から緊張しても、どうしようもない。自分の力を出し切るんだと(自分に言い聞かせること)」と自然体の勧めを説いた。2年前に大器と有望視されながら一度は十両に落ち、はい上がってきたホープに、同理事長は「(今場所は)勝ち運にも恵まれたような気がする。これ(今場所)をいいきっかけにしてほしい。『自分は出来るんだ』と毎場所、これぐらいやって三役、その上も(目指してほしい)」と新たに出現した大関候補の有望株として期待した。

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