日本相撲協会は27日、大相撲春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)の新番付を発表した。新関脇に昇進した霧馬山(26=陸奥)は東京・両国国技館で会見。会見場で初めて実物の番付を見たといい、横綱、大関に続いて自身のしこ名が記されていることに「よかった。うれしい」と、笑顔を見せた。

小結で臨んだ1月の初場所は、三役として初の2ケタ白星となる11勝を挙げた。大関とりの起点となる好成績。それでも大関を目指す意識を問われると「全然まだ。これから、もっと稽古して頑張らないと。『絶対に無理』と思ったこともあるけど近くまで来た。これから、やることをやっていくしかない」と、気を引き締めた。

ライバルについては、同じモンゴル出身で、番付で追いついた関脇豊昇龍を挙げた。モンゴルにいた時は、同じ柔道クラブに通っていた3歳下の後輩だが「先に(大関に)上がりたい気持ちはある」と力説。昨年11月の九州場所で、1場所早く三役として2ケタ白星を挙げ、次期大関候補として並び称される、豊昇龍への対抗心の強さを隠さなかった。

新たな技術習得よりも、頭をつけて前まわしを引く、これまでも白星を積み上げてきた相撲に磨きをかけるつもりだ。今月は荒汐、高砂、伊勢ケ浜、追手風の各部屋に精力的に出稽古。9日から24日までの16日間のうち、数日間の休日を除き、ほとんど出稽古し、各場所前としては“自己最多”だという。伊勢ケ浜部屋では横綱照ノ富士に胸を借り「このままじゃ大関は無理だぞ」と、ハッパをかけられたという。だからこそ、四股、すり足などの基礎もおろそかにせず、出稽古先でも繰り返してきた。

春場所でも2ケタ白星を挙げれば、5月の夏場所は大関とりとなる。「できれば勝ち越して2ケタまで行きたいけど、まずは何よりも勝ち越し。硬くならないように(2ケタ白星を)意識しないようにやっていきたい」。平常心で新関脇場所に臨む決意だ。