21年3月に引退した元横綱鶴竜親方が、最後の取組では長男のアナンダ・アマルバヤスガラン君(6)と相撲を取った。

現役時代同様に紺の締め込みで登場した同親方は感慨深そうに笑みを浮かべながら土俵に上がり、長男の力いっぱいの当たりを真っ正面から受け止めた。土俵際で長男に押し出されて土俵を割った。

この日に合わせて、“練習”を積み重ねた。同親方は「6歳になったばかりの息子と相撲を取ろうと、練習しています。いざ本番になって恥ずかしくなったらいけないので」と語っていた。特訓の成果を出して、思い出に残る一番になった。

◆鶴竜力三郎(かくりゅう・りきさぶろう)本名・マンガラジャラブ・アナンダ。1985年(昭60)8月10日、モンゴル・ウランバートル市生まれ。01年9月に来日し同年九州場所で初土俵。06年九州場所で新入幕、12年春場所後に大関、14年春場所後に横綱昇進。幕内優勝6回。三賞は技能賞7個、殊勲賞2個。21年3月に引退し、陸奥部屋付きの親方として後進の指導に当たっている。